2018 年 107 巻 6 号 p. 1102-1107
69歳,女性.意識障害を主訴に来院.水頭症を伴う右小脳腫瘍に加えてネフローゼ症候群を呈していた.腫瘍は良性髄膜腫であり,腎組織は膜性腎症であった.免疫染色では,ホスホリパーゼA2受容体(phospholipase A2 receptor:PLA2R)染色は陽性で,IgGサブクラスIgG4優位と特発性に特異的とされる所見を認めたが,腫瘍摘出後1カ月後に寛解に至ったため,二次性膜性腎症と診断した.膜性腎症では良性・悪性問わず,原疾患の治療が奏効する可能性がある.