日本内科学会雑誌
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II.急性骨髄性白血病の治療
神田 善伸
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2018 年 107 巻 7 号 p. 1279-1286

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抄録

急性骨髄性白血病(acute myeloid leukemia:AML)に対する治療では,患者年齢,全身状態,臓器機能,診断時の予後予測等に基づいて,治療戦略を構築することが重要である.化学療法によって高頻度に完全寛解が得られるが,その後の再発が多い.そこで,造血幹細胞移植が試みられており,一般的には,予後中間群,予後不良群では,適切なドナーがいれば,第一寛解期の同種造血幹細胞移植が推奨される.再発例は再度寛解状態が再び得られた場合は,同種造血幹細胞移植の適応となる.ただし,これらの根治を目指した治療法は,高齢者や臓器障害を有する患者では困難であり,個々の患者に応じて弾力的に治療戦略を調整する必要がある.

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© 2018 一般社団法人 日本内科学会
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