2019 年 108 巻 11 号 p. 2259-2267
糖尿病患者は,高血糖による好中球機能不全等の免疫反応の低下,血流不全,末梢の感覚低下,自律神経障害ならびに皮膚粘膜への黄色ブドウ球菌の定着等の要因により感染症に罹患しやすくなる.特に糖尿病性足感染症(diabetic foot infection:DFI)は頻度が高く,軽度の皮膚軟部組織感染症から重症の壊死性筋膜炎まで幅広い臨床像を呈する.本稿では,糖尿病患者で起こり得る感染症に関する総論に加え,DFIの概念とそのマネージメントについて詳説する.