2019 年 108 巻 2 号 p. 242-246
急激に高齢化が進む本邦において,冠動脈疾患合併心房細動症例は心房細動症例全体の10~15%と報告されている.冠動脈疾患に対しては抗血小板療法が,心房細動に対しては抗凝固療法が各々必要とされるが,それらの適切な投与法の検証が進められてきた.このような合併症例においては,病態と出血リスクに応じて,両者の組み合わせとその併用期間を適宜評価・選択していくことが重要となる.本稿では,最新の知見を踏まえ,リスク・ベネフィットを勘案した治療戦略について概説する.