日本内科学会雑誌
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今月の症例
肛門腺癌治療中に発症した薬剤誘発性インスリン自己免疫症候群の1例
飯村 洋平本告 成淳今中 景子吉田 知彦竹本 稔
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2019 年 108 巻 4 号 p. 784-790

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抄録

72歳,男性.肛門腺癌の術後リンパ節転移に対して化学療法を開始.化学療法27コース目施行後,突然の眩暈,ふらつきならびに意識障害が出現し,A病院に救急搬送され,低血糖と診断された.当院の内分泌学的検査より,インスリン自己免疫症候群(insulin autoimmune syndrome:IAS)と診断.チオール基を有するベバシズマブを中止したところ,低血糖発作の頻度は低下した.ベバシズマブ使用時の低血糖発作では,IASの発症を考慮する必要がある.

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© 2019 一般社団法人 日本内科学会
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