日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
Print ISSN : 0021-5384
ISSN-L : 0021-5384
今月の症例
消化管出血を契機に診断された健常成人に発症した結核の1例
福本 晃永田 信二森 豪鴫田 賢次郎朝山 直樹柾木 慶一青山 大輝本田 洋士行武 正伸向井 伸一
著者情報
キーワード: 腸結核, 肺結核, 消化管出血
ジャーナル フリー

2020 年 109 巻 4 号 p. 798-803

詳細
抄録

生来健康な40歳代の女性が血便を主訴に受診した.大腸内視鏡検査にて回盲弁上に潰瘍を認め,内視鏡的に止血した.後日,粘膜生検にて腸結核と診断した.呼吸器症状を全く認めていなかったが,胸部CT(computed tomography)で肺に小さい浸潤影を認めており,喀痰検査にて肺結核と診断した.消化管出血は日常診療でしばしば遭遇する病態ではあるが,たとえ健常人であっても,結核の初発症状である可能性も念頭に置く必要がある.

著者関連情報
© 2020 一般社団法人 日本内科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top