2021 年 110 巻 11 号 p. 2368-2373
新型コロナウイルス(severe acute respiratory syndrome coronavirus 2:SARS-CoV-2)がパンデミックを起こす中,変異により形質の変化に至った「変異株」(variant)が問題になっている.感染・伝播性の増加がみられたアルファ株が当初世界を席巻したが,その後インドで最初に検出されたデルタ株は,その感染性が従来株に比べると2倍程度とされ,世界中で置き換わりが見られた.ワクチンの効果の減弱も示唆され,今後の新型コロナウイルス感染症対策の出口戦略に大きな影響を与えている.