2021 年 110 巻 4 号 p. 761-768
糖尿病患者は認知症や認知機能障害を来たしやすく,認知症は糖尿病の併存症の1つである.認知機能障害を伴った糖尿病患者では,食事,運動,社会参加等のフレイル予防対策を行う.薬物治療は低血糖を避け,社会サービスを確保し,患者や介護者の治療負担を軽減する.DASC-8(Dementia Assessment Sheet for Community-based Integrated Care System-8 items)等を用いてカテゴリー分類を行って,血糖コントロール目標を設定し,カテゴリーIIの段階から服薬やインスリン治療の単純化を行うことが大切である.