2021 年 110 巻 6 号 p. 1092-1098
非結核性抗酸菌症は,本邦をはじめとして世界的に患者数が増加している.環境に存在する菌で環境から曝露して発症するが,特殊な事例以外は人から人への感染はない.本邦で患者数が多いのは,Mycobacterium avium complex症,M. abscessus症,M. kansasii症であるが,M. kansasii症以外治療反応性は不良で,一旦菌陰性化が図れても,治療終了後再発・再治療が高率に生じる.適切な指導による患者の理解,治療の策定が重要である.