2022 年 111 巻 2 号 p. 221-227
ACE(angiotensin-converting enzyme)阻害薬・ARB(angiotensin receptor blocker)は,長らく慢性心不全治療薬の中心的役割を担ってきた.近年,ナトリウム利尿ペプチド分解酵素阻害作用を併せ持つARNI(angiotensin receptor neprilysin inhibitor)が,ACE阻害薬以上の有効性を有することが示され,国内外のガイドラインにおいて,ACE阻害薬・ARBでは効果不十分な症例においてARNIへの切り替えが推奨されるようになった.どのような症例が切り替えの対象となるのか,及び切り替えの際の留意点等について解説する.