日本内科学会雑誌
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今月の症例
異所性石灰化を伴う胃粘膜病変を繰り返した家族性ビタミンD過剰症の1例
齊藤 聖也大岩 修太朗松野 鉄平山田 尚太奥田 敏徳南 伸弥須釜 佑介下山 紗央莉森田 理恵大森 銀治蟹沢 祐司
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2022 年 111 巻 4 号 p. 808-816

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抄録

症例は50歳台男性.屋外作業後から強い心窩部痛が出現した.高Ca血症,胃粘膜のびらん,潰瘍,異所性石灰沈着が認められた.Ca値の補正により自覚症状,組織学的所見は速やかに改善した.活性型ビタミンDの恒常的過剰と紫外線曝露が高Ca血症の原因と判明し,さらに近親者の活性型ビタミンDも高値であることから遺伝的背景が窺われた.急性胃粘膜病変の原因として特発性高Ca血症,異所性石灰化に留意する必要がある.

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© 2022 一般社団法人 日本内科学会
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