日本内科学会雑誌
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医学と医療の最前線
COPD診療の最新知見
杉浦 久敏
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2023 年 112 巻 11 号 p. 2136-2144

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抄録

慢性閉塞性肺疾患(Chronic Obstructive Pulmonary Disease:COPD)は,閉塞性換気障害を呈する代表的な呼吸器疾患であり,「タバコ煙を主とする有害物質を長期に吸入曝露することなどにより生ずる肺疾患であり,呼吸機能検査で気流閉塞を示す.気流閉塞は末梢気道病変と気腫性病変がさまざまな割合で複合的に関与し起こる.臨床的には徐々に進行する労作時の呼吸困難や慢性の咳・痰を示すが,これらの症状に乏しいこともある.」と定義される.難治性気道疾患として日本国内で約500万人以上の潜在患者が存在すると言われており,死亡者数も多いことからその対応は喫緊の課題である.2022年6月に「COPD診断と治療のためのガイドライン(GL)第6版」が改訂され,COPD診療の最新知見が紹介されている.本稿ではCOPD GL第6版の中から日常診療に重要な治療に関する知見を中心に紹介する.また2022年11月にCOPD診療に関する世界的な文書であるGOLD(Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease)レポートが改訂された.本稿では最新のGOLDレポート2023についても併せて概説する.

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