日本内科学会雑誌
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今月の症例
多彩な臨床症状を呈し診断に難渋したジスチグミン臭化物によるコリン作動性クリーゼを発症した高齢者の1例
藤縄 学飯野 均山﨑 明武島 宏打越 裕之
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2023 年 112 巻 7 号 p. 1272-1279

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抄録

91歳の女性.呼吸困難で発症し,高度徐脈を認めたため循環器科紹介となったが,喘息様頻呼吸,腹痛など多彩な臨床症状を呈し,入院後に意識障害,高度縮瞳を認め,ジスチグミン臭化物内服に伴うコリン作動性クリーゼが判明した.高齢者では排尿障害のためコリン作動薬を長期服用していることも多く,原因不明の呼吸困難やその他多彩な症状を認める場合は,常にコリン作動性クリーゼを念頭に置いておく必要がある.

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