片頭痛は,Quality of life(QOL)を著しく低下させ得る「脳の病気」であり,我が国では約1,000万人もの患者がいる.急性期治療薬としてはトリプタン製剤が従来使用されており,2022年からはラスミジタンも加わった.予防療法については,2021年に登場したカルシトニン遺伝子関連ペプチド(calcitonin gene-related peptide:CGRP)関連抗体薬が著効し「人生が変わる」ような症例も経験する.片頭痛は緊張型頭痛と誤診されているケースも多いが,片頭痛と適切に診断し,片頭痛に特化した治療を提供していくことが重要である.