日本内科学会雑誌
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今月の症例
S状結腸にα-synuclein病理を確認した認知症を伴うパーキンソン病の1例
穴田 麻眞子工藤 彰彦阿部 恵白井 慎一岩田 育子松島 理明矢口 裕章吉田 雅種井 善一矢部 一郎
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2023 年 112 巻 8 号 p. 1402-1410

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抄録

74歳男性,50歳頃から起立性低血圧や便秘などの自律神経症状が先行し,63歳頃から静止時振戦・筋強剛が出現しパーキンソン病の診断となり,その後認知機能障害と幻視が出現した.経過中にS状結腸捻転を繰り返し腹腔鏡下S状結腸切除術が施行され,神経叢にα-synuclein陽性レヴィー小体とα-synucleinの沈着を認めた.消化管におけるα-synuclein病理は自律神経障害,認知機能障害の進行と関連があるとされ重要な所見と考えられた.

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© 2023 一般社団法人 日本内科学会
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