2023 年 112 巻 8 号 p. 1402-1410
74歳男性,50歳頃から起立性低血圧や便秘などの自律神経症状が先行し,63歳頃から静止時振戦・筋強剛が出現しパーキンソン病の診断となり,その後認知機能障害と幻視が出現した.経過中にS状結腸捻転を繰り返し腹腔鏡下S状結腸切除術が施行され,神経叢にα-synuclein陽性レヴィー小体とα-synucleinの沈着を認めた.消化管におけるα-synuclein病理は自律神経障害,認知機能障害の進行と関連があるとされ重要な所見と考えられた.