2006 年 95 巻 2 号 p. 305-313
Wide QRS頻拍は心室頻拍の頻度が高いため, 機序が上室性か心室性によるものか, 早急に鑑別診断することが治療上, 極めて重要である. 心室頻拍と変行伝導を伴った上室頻拍は (1) 房室解離 (2) QRS幅 (3) QRS電気軸 (4) 頻拍中のQRS波形 (5) 洞調律時心電図 (6) 基礎心疾患を指標として鑑別され, 特に, 頻拍中のQRS波形はV1, V6誘導の波形に注目する必要がある. 治療は両者の鑑別と基礎心疾患や心機能の程度によって決定される.