2006 年 95 巻 4 号 p. 739-741
皮膚型結節性多発動脈炎 [cutaneous polyarteritis nodosa (CPN)] は1931年にLindbergにより提唱された疾患概念である. 組織学的に典型的なPNの像を呈するが, 病変は皮膚に限局し, 全身臓器の病変はなく, 一般に慢性再発性の予後良好な疾患とされている. 今回, 我々は動脈閉塞により下腿切断に至ったCPN症例を経験した. CPNの一部は全身型への移行も見られるという報告はあり, 特徴として発熱・筋痛・関節痛等の皮膚外症状の強いもの, ANA・RF陽性, 赤沈100mm/h以上, 白血球1万/μl以上等が多いといわれている.