日本内科学会雑誌
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今月の症例
フィリピン毛細虫Capillaria philippinensis感染により著しい低蛋白血症をきたした1例
坂部 茂俊藤永 和寿辻 奈苗伊藤 尚美海野 啓谷口 正益水谷 実玉木 茂久谷川 元昭辻 幸太佐藤 兵衛
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2007 年 96 巻 10 号 p. 2282-2283

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抄録

フィリピン毛細虫Capillaria philippinensis感染により,著しい低蛋白血症をきたした1例を報告する.症例は28歳のタイ人男性.来日約1カ月後に全身の浮腫を自覚し,近医で低蛋白血症を指摘された.来院までに消化器症状は一切なかったが吸収不良症候群,蛋白漏出性胃腸症の指標であるα1-アンチトリプシンクリアランスの著名な上昇を認め,便中の虫卵よりフィリピン毛細虫と同定された.フィリピン毛細虫は主に淡水魚の生食により感染する腸管寄生虫で,フィリピン,タイなど6カ国で報告されている.日本でも過去に5例の報告がある.

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© 2007 一般社団法人 日本内科学会
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