2007 年 96 巻 12 号 p. 2786-2788
症例は60歳女性,3年前より意識消失発作を認めており,近医で低血糖を指摘されて当科紹介となった.インスリノーマと診断したが,腫瘍の局在は特定できず.侵襲的検査·治療に同意を得られなかったため,内科的治療を開始した.酢酸オクトレオチド50μgの単回皮下注射にて,著明な高血糖が出現.同7μg,5μg,10μgの3回/日分割投与で血糖値は安定した.酢酸オクトレオチドの少量投与で低血糖発作が消失しており,インスリノーマの内科的治療を考える上で貴重な症例と考えられた.