日本内科学会雑誌
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医学と医療の最前線
膠原病に伴う肺動脈性肺高血圧症の診断と最新の治療
諏訪 昭
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2007 年 96 巻 12 号 p. 2804-2811

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抄録

膠原病において高率に合併する肺高血圧症(PH)は難治性病態の一つであり,診断および治療法の開発は重要な課題であった.近年,心ドップラーエコー法による診断法の精度は向上し,プロスタサイクリン持続静注療法やエンドセリン受容体拮抗薬が承認され治療法は大きく進歩をした.膠原病性PHは主に肺動脈性肺高血圧症(PAH)であるが,間質性肺病変によるPHや慢性肺血栓塞栓症によるPH,肺動脈末梢の血管炎によるPHなどもみられる.また,膠原病性PAHは,免疫異常や炎症などの側面をもつ.膠原病性PAHの病態を解明し,ステロイドや免疫抑制薬,血管拡張療法による特異的な治療法を確立することにより,予後の改善が期待される.

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© 2007 一般社団法人 日本内科学会
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