2007 年 96 巻 7 号 p. 1427-1433
慢性骨髄増殖性疾患(MPD)では,慢性骨髄性白血病(CML)が主な同種造血幹細胞移植の適応疾患であり,移植によって慢性期で60∼80%,進行病期においても10∼40%の根治が期待できる.しかし,イマチニブが導入され,その安全性と移植に匹敵する有効性が明らかになり,その適応は急性期あるいは移行期,およびイマチニブ耐性の慢性期に限られるようになった.CML以外には骨髄線維症,特発性好酸球増加症,急性骨髄性白血病へ移行したMPDに対しても移植が施行されているが,その治療戦略上への位置づけは明らかではない.