2007 年 96 巻 7 号 p. 1420-1426
好酸球増加症候群hypereosinophilic syndrome(HES)は骨髄での好酸球の増殖により持続的に末梢血好酸球増加をきたす疾患群の総称であり,難治性で致命的なことが多い.最近,一部の症例で分子標的治療薬imatinib mesylate(イマチニブ)に反応するという報告が相次ぎ,その原因となる分子異常が第4染色体の部分欠失によるFIP1L1-αPDGFR融合遺伝子産物の恒常的チロシンキナーゼ活性発現に起因することが明らかとなった.診断·治療法の現状とこれからの臨床課題など,最新の知見を概説する.