日本内科学会雑誌
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今月の症例
腸管麻痺による腹痛,嘔気で発症した急性期大動脈炎症候群の1例
岩澤 孝昌本島 広子泊口 哲也黒木 茂水政 豊浜田 俊之辻 武志沼田 裕一
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2007 年 96 巻 8 号 p. 1694-1696

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抄録
症例は57歳,女性.腹痛と嘔気で発症し麻痺性イレウスを呈していた.炎症反応を認め,腹部大動脈はCTやMRIにより壁の高度肥厚と石灰化を認め,内腔は狭小化していた.大動脈炎症候群と診断し,ステロイド療法が著効した.腹腔神経叢近傍における腹部大動脈の炎症性拡張が腸管麻痺の原因と推測した.大動脈炎症候群では腹痛,嘔気をきたすことは比較的稀であるため報告する.
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© 2007 一般社団法人 日本内科学会
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