2008 年 97 巻 5 号 p. 955-961
IgGの異常は腎疾患と深く関わっており,最近,IgGの量的異常をサブクラスまで掘り下げて検討がされている.高IgG4血症に伴う腎障害はいわゆる"IgG4-related systemic disease"の一部分症である.また,サブクラス分析はある種の腎疾患の鑑別に用いることができる.IgGの質的異常ではmonoclonal immunoglobulin deposition diseaseという疾患概念が近年確立されたが,十分浸透しているとはいいがたい.早期の診断治療が予後を大きく左右するため銘記しておくべき疾患群である.