2008 年 97 巻 7 号 p. 1620-1626
リツキシマブはCD20を標的とした抗体医薬でB細胞リンパ腫に対して特異的に作用する.びまん性大細胞型B細胞リンパ腫ではリツキシマブ併用CHOP療法が標準的な初回治療となり,これまでより治癒率が向上している.濾胞性リンパ腫ではリツキシマブ単剤療法や各種のリツキシマブ併用化学療法が行われ,生命予後の改善が期待できる.この他,CD20抗体に放射性アイソトープを結合させたイブリツモマブ・チウキセタンなどの免疫抱合体による治療も注目されている.T細胞リンパ腫に対する抗体医薬の開発も始まっている.