2008 年 97 巻 8 号 p. 1771-1777
末梢神経障害を来す傍腫瘍性神経症候群は,臨床病型に基づいて,亜急性感覚性ニューロノパチー,感覚運動性ニューロパチー,自律神経性ニューロパチーに分類され,一部の症例では,抗Hu抗体,抗CV2抗体など自己抗体が証明される.原因腫瘍としては,肺小細胞癌の頻度が高いが,乳癌,前立腺癌,消化器系癌などの報告もある.また,造血器腫瘍に関連したものでは,腫瘍細胞による免疫グロブリンの異常な産生を特徴とするCrow-Fukase症候群,抗MAG抗体や抗SGPG抗体に関連したニューロパチー,抗ガングリオシド抗体に関連したニューロパチーなどがあり,様々な免疫調整療法,抗腫瘍療法が試みられている.