2009 年 98 巻 1 号 p. 75-81
潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis:UC)における大腸癌発生は予後を左右する重要な合併症である.癌および前癌状態とされるdysplasiaを早期に発見するために,定期的なsurveillance colonoscopy(SC)を行うことが推奨されている.現在,SCの方法はrandom biopsyからより効率的な狙撃生検に移行しつつあるが,今後さらなる検討を要する.UC長期経過症例が増えるに従い,本邦の癌化例は急増する可能性があり,有効なサーベイランス法の確立は重要な臨床課題である.