日本内科学会雑誌
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水泳時の運動性蛋白尿に関する研究
須藤 正
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1959 年 48 巻 8 号 p. 1271-1282

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抄録

健康な学生の水泳練習時に出現する蛋白尿に注目し,その成因をクリアランス法による腎血行動態面より検討した.まず水泳練習と蛋白尿排泄との時間的関係を見ると,水泳時または水泳直後多数例に蛋白尿が出現するが,若干例においては数時間後あるいは翌日までも持続するものがあり,また合宿により長期問反復運動負荷を行なうとこの傾向の顕著となるを認めた.水泳時,水泳直後は腎血流量の減少著しく,かつこの際減少率の著しいものは尿蛋白の排泄も高度であつた.従つてこの場合の蛋白尿出現機序としては腎血流量減少が重要な役割りをなしていると考えられる.なお著者は疲労発生に関連し,蛋白尿の体育医学的意義についても言及した.

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