日本内科学会雑誌
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抗生物質-SF型ビタミン剤併用療法と生体内リボフラビン代謝(第1報)
松園(旧姓柳沢) 裕
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1960 年 49 巻 3 号 p. 289-294

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抄録

5例の患者にChloramphenicol單独経口投与し, 5~15日後同一患者にChloramphericol-SFを投与し,おのおのについて前後の血中および尿中のB2量の比較を行なつた.Chloramphenicol單独投与では,投与前に比し1例を除いては血中総B2,エステル型B2ともに減少の傾向を認め,それに伴なつて尿中B2排泄量の増加傾向があり, Chloramphenicol-SF投与では全例に総B2およびエステル型B2の増加傾向を認め,尿中B2排泄量の著明な増加を認めた.これら血中B2濃度おホび尿中B2量の平均値の変動は, Chloramphenicol投與により血中総エステル型濃度は減少し,尿中B2排泄量の増加が知られ, Chloramphenicol-SF投與では血中総B2のみならず,エステル型濃度は増加を認め,尿中B2の排泄量がいちじるしく増大することを認めた.本実驗の結果,遊離型B群の大量添加が,血中エステル型B2の減少を防止するのみならず,むしろ増加する傾向のあることが知られた.

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