日本内科学会雑誌
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X線走査キモグラフィーによる肺気腫の研究
溝上 長男
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1963 年 52 巻 9 号 p. 1072-1080

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抄録

肺気腫の定義並びに診断は,従来から臨床的な見地と病理解剖学的見地とが必ずしも一致せず,この点が本症研究の問題点となつてきた.著者はX線走査キモグラフィーを用いて肺気腫の診断にかんし臨床的に研究した.肺気腫患者のキモグラムは基線に近く走り,呼吸性動揺が各部位において小さく,かつ不規則で,換気機能の低下と換気状態の不均一を示した.胸廓内径に対する肺組織の厚み(血液を含む)の百分率は肺の粗密の程度を表わし,これを肺組織率とすると,肺組織率は,肺気腫において著明に低下し,特に,最大呼気時において対照例と明確な差異を示した.

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