日本内科学会雑誌
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椎間板ヘルニア手術により発生した外傷性動静脈瘻の1例
上田 英雄多川 斉斎藤 昌三中原 健次郎庵 政志
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1964 年 53 巻 8 号 p. 1046-1050

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抄録
椎間板へルニア手術による外傷性動静脈瘻については25例の報告があり,この多くは心不全症状を呈している.本例はヘルニア手術後約7ヵ月て心不全に至り,腹部の連続性機械様雑音により動静脈瘻が疑われた症例である.心肥大,肺うっ血,肝腫大,静脈圧上昇あり.血圧は第V点0.RPF, GFRの中等度低下をみる.心カテーテル検査,大動脈造影,静脈造影を行ない,腹部動静脈瘻による高心拍出量性心不全と診断.手術により右総腸骨動静脈瘻を確認,修腹し,心不全症状は消失した.動静脈瘻の存在がNa貯溜,心不全を来たし易い理由について検討した.大きな動静脈瘻がある時には,心拍出量の不足を補うために末梢血管の収縮が起こり,そのためにRPFが減少するが,本例のRPF低下は必ずしも心不全の原因とは解釈出来ないことを述べた.
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