日本内科学会雑誌
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多核巨細胞を伴なつた動脈炎の1剖検例
名尾 良憲村上 義次牧 泰小幡 裕小林 晃片野 てい子高松 道雄
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1964 年 53 巻 8 号 p. 1034-1045

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抄録
63才の主婦.61才より高血圧があり,昭和35年頃よりときどき頭痛,眩暈最を訴えたが,昭和36年より頭部全体に頭痛が激しくなつた.昭和37年2月血尿のため当院泌尿器科外来を受診し, 6月4日血尿の治療の目的でアドレノクロマゾン・PVP静注直後,左半身の麻痺がおこり,内科に入院した。側頭部には著変なく,また臨床検査成績では輕度の貧血,赤沈値の促進, γ-グロブリンの増加を認めた,入院後3日目に死亡.剖検所見では,頭側幹動脈,左腎動脈起始部をはじめ,両腎,膀胱,脾内の小動脈に巨細胞性肉芽種を形成し,諸処のリンパ節,肺に結核病巣の合併をみた.また肝,腎に血管と関係のない肉芽腫がみられ,全身に高度の動脈硬化症および一部に結節性動脈周囲炎様の変化認めた.すなわち病理組織学的には巨細胞性動脈炎に一致し,本邦のいわゆる“脈なし病”に類似点を認め,その発生病理につき2, 3の考察を試みた.なお直接死因である腦出血部にはかゝる変化を認めない.
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