日本内科学会雑誌
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Myotonic dystrophyの6例とくにその内分泌機能について
永井 宏美尾形 学斉藤 邦夫小川 さつき山口 昭彦林 四朗浜田 明子
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1973 年 62 巻 7 号 p. 770-782

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抄録

最近6家系6症例(男3例,女3例,年令29~37才)のmyotonic dostrophyを経験した.各例で優性遺伝の家族歴,染色体異常はなかつた,白内障,頭蓋骨X線像上の異常所見は高頻度で,腸骨生検では3例中2例に骨硬化症が認められた.下垂体副腎皮質機能はほぼ正常であつたが,メトピロン試験の低下,尿中17-KS排泄低下が各1例にみられ, Arg負荷およびインスリン負荷時のHGH反応は2例中1例で解離していた. BMR低下は全例にあり,これは甲状腺以外の要因によると思われた.睾丸は男全例で萎縮していた. 100g GTTで6例中5例が平坦な曲線を呈し,トルブタマイド,グルカゴンおよびインスリン感性試験は正常であつた.これらの試験で血清IRIは2~3例に過剰ないし軽度過剰反応が認められた.健常者に比し,血漿遊離アミノ酸ではArgの減少, Glu+Glnの増加が,尿遊離アミノ酸ではAsn, IIeの減少が,加水分解後の尿中アミノ酸ではHyp, Val, IIe, Leu, Tyrの減少が認められた.

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