日本内科学会雑誌
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62 巻, 7 号
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  • 増田 正典
    1973 年 62 巻 7 号 p. 719-734
    発行日: 1973/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 小松 文夫
    1973 年 62 巻 7 号 p. 735-746
    発行日: 1973/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    結合織病変や組織の線維化を防止することを目的として,線維芽細胞を抑制する試みは臨床分野においても薬物その他を用いて早くから成されている.今回,線維芽細胞を培養中,線維素溶解酵素(plasmin)の作用で,線維芽細胞の増殖が抑制され,しかも細胞が破壊されることを観察した.鶏胚各臓器由来の線維芽細胞は, plasmin処理(1.0 casein unit/3m1)で, 30分~1時間後に細胞質に著明な顆粒の出現をみる.つづいて空胞化,萎縮をきたし, 12時間後にはほとんど崩壊する. plasminが直接細胞に障害を及ぼすことは再培養が不可能なことでも確認された.出現してくる顆粒は, acid-pho-sphatase反応陽性で, acridine orange染色にもよく染まり,さらに電顕所見を総合するとlysosomeと考えられた.恐らくlysosomeに何らかの作用を及ぼすことによつて細胞に障害をひきおこしたと推測される.今回の実験は,血漿包埋法による培養でclot内に生じたplasmin活性が線維芽細胞を変性,崩壊せしめた現象に注目し,つぎに単層培養を試みて明確なる変性過程をとらえた.
  • 消化器疾患ならびに食餌因子との関連について
    後藤 昭平
    1973 年 62 巻 7 号 p. 747-755
    発行日: 1973/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    小腸disaccharidase活性の変動を,臨床上もつとも重要な乳糖分解酵素lactaseを中心に,消化器疾患との関連において検討し,また,牛乳,アルコールによる食餌因子の本酵素活性に及ぼす影響を検討するために,1)乳糖負荷試験(LTT),2)生検による小腸粘膜の光顕的観察, disaccharidase活性測定,3)アルコール投与白鼡の動物実験,等を行なつた.その結果, LTTの血糖上昇度は胃切除,過敏性大腸,潰瘍性大腸炎で低く, lactase活性は胃切除等消化器疾患で低かった.しかしmaltase活性, sucrase活性では健康者との間に差がなかつた. lactase活性とLTTの血糖上昇度には有意の相関があつた.牛乳摂取による下痢者は非下痢者に比べてlactase活性が有意に低く,また牛乳摂取者は非摂取者に比べて本酵素活性が有意に高かつた.アルコール摂取者,非摂取者のlactase活性には差がなく,動物実験でもアルコール投与によりdisaccharidase活性は抑制されなかつた.
  • 鈴木 嘉茂
    1973 年 62 巻 7 号 p. 756-764
    発行日: 1973/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    急性心筋硬塞35例の急性期血行動態を観察し,臨床的検討を加えた.硬塞発作後24時間以内に収容された28例の平均心拍出量は,正常群に比べ低値を示したが,とくにショック合併および死亡例に著明であつた.死亡例では悪性高血圧例を除くと心係数(CI), 1回拍出係数(SI)が持続的低値を示した.入院時中心静脈圧(CVP) 8cmH20以上を示した21例中14例は, 48時間以上CVP上昇が持続したが,これら上昇持続例では回復例に比べ,ショック合併および死亡が高率であった.不整脈合併例にCVP上昇を示すものが多かつた. CIが低くCVPの低い1群の循環血液量は他の硬塞群および正常群に比べ,低値を示す傾向を認め低容量性の可能性が考えられた.この1群を除くとCIとCVPは負の相関を示した. Peelの指数と全末梢抵抗(TPR)は正の相関, Peelの指数とSIは負の相関を示した.入院時CI 2.21/min/m2以上の1群は予後良好で,反対にCI 2.2l/min/m2未満,とくにCVP上昇・TPR増高の1群は重症例が多く,予後不良のものが多かつた.
  • 村瀬 弘, 中嶋 正敏, 伊藤 幸郎, 島本 達夫, 小川 小夜, 前沢 秀憲
    1973 年 62 巻 7 号 p. 765-769
    発行日: 1973/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    膵十二指腸動脈瘤を術前に診断し,摘出に成功した1例を報告する.膵十二指腸動脈瘤の報告は,今日までに18例にすぎず,希な疾患とされている.手術成功例は9例,術前診断例は2例である.本邦ではまだ報告がなく,本症例が第1例である.患者は48才の主婦.生来健康であったが,昭和47年5月頃から腰痛が続く.近医で第3腰推右側の直径約3cmの半円形石灰化像より腹部大動脈瘤を疑われ,8月31日に当科受診した.胸部,腹部に異常所見はなく,血圧142/84.検査では,血清アミラーゼ値の一過性異常, PS試験で膵外分泌能低下,糖負荷試験で糖尿病型を示すほか,とくに異常はなかつた.動脈撮影で,前下および前上膵十二指腸動脈におのおの1個の動脈瘤を認めた.前下膵十二指腸動脈瘤壁は,前記石灰化像と一致した. 11月30日開腹し, 2個の動脈瘤を摘出した.ともに動脈硬化性であつた.術後は一過性に膵液のうつ帯をきたしたが,以後の経過は良好で,昭和48年2月13日に退院した.
  • 永井 宏美, 尾形 学, 斉藤 邦夫, 小川 さつき, 山口 昭彦, 林 四朗, 浜田 明子
    1973 年 62 巻 7 号 p. 770-782
    発行日: 1973/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    最近6家系6症例(男3例,女3例,年令29~37才)のmyotonic dostrophyを経験した.各例で優性遺伝の家族歴,染色体異常はなかつた,白内障,頭蓋骨X線像上の異常所見は高頻度で,腸骨生検では3例中2例に骨硬化症が認められた.下垂体副腎皮質機能はほぼ正常であつたが,メトピロン試験の低下,尿中17-KS排泄低下が各1例にみられ, Arg負荷およびインスリン負荷時のHGH反応は2例中1例で解離していた. BMR低下は全例にあり,これは甲状腺以外の要因によると思われた.睾丸は男全例で萎縮していた. 100g GTTで6例中5例が平坦な曲線を呈し,トルブタマイド,グルカゴンおよびインスリン感性試験は正常であつた.これらの試験で血清IRIは2~3例に過剰ないし軽度過剰反応が認められた.健常者に比し,血漿遊離アミノ酸ではArgの減少, Glu+Glnの増加が,尿遊離アミノ酸ではAsn, IIeの減少が,加水分解後の尿中アミノ酸ではHyp, Val, IIe, Leu, Tyrの減少が認められた.
  • 小泉 岳夫, 桝田 一男, 満谷 夏樹, 椋田 知行, 石津 弘視, 桜井 幹巳
    1973 年 62 巻 7 号 p. 783-787
    発行日: 1973/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    腹膜中皮腫は比較的まれな疾患とされているが,最近欧米において本疾患者の増加が報告され,その原因として諸産業での需要が増大しつつあるアスベスト粉塵吸入が重要視されている.本症例はアスベスト加工業に従事し,長期間にわたつてアスベスト粉塵を吸入していた63才の男で,腹部膨満,全身倦怠を主訴とし,著明な腹水と貧血,血沈亢進, CRP陽性等を認めたほか,腹水検査では滲出液の性状を示し,異型性の強い細胞が検出された.また胸部X線像では両肺野に線状陰影を認め,これはとくに左下野に著明で,胃X線像では幽門部に伸展不良の所見がみられた.剖検では腹膜,腸間膜,胃,腸,肝臓および脾臓は灰白色の腫瘍に被われ,胃,腸および肝臓では漿膜面より内部に向かう異型性の強い中皮細胞の滲潤がみられ,腹膜中皮腫と診断された,本症の発生とアスベスト吸入との関連について考案した結果についても述べた.
  • 1973 年 62 巻 7 号 p. 874
    発行日: 1973年
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 1973 年 62 巻 7 号 p. 875
    発行日: 1973年
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
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