日本内科学会雑誌
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X線写真上みられる頚動脈石灰化とその臨床的意義
藤井 潤関 顕田中 敏行
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1975 年 64 巻 7 号 p. 651-654

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抄録

人間ドック受診者,外来および入院患者を対象に頚椎X線写真正面像よりみた頚動脈石灰化の頻度とその臨床的意義を検討した.頚動脈石灰化は60才以下の者にはみとめられず,あきらかな高血圧や糖尿病を有しない60才台男子では58例中4例(6.9%)に,外来および入院患者では60才以上の161例中32例(19.9%)にこれをみとめた.頚動脈に石灰化のある例では,石灰化のない例と比較して大動脈弓部石灰化,腹部大動脈石灰化が高率にみとめられ,高血圧,糖尿病を合併する頻度も高かつたが,脳卒中の合併についてはあきらかな差はなかつた.

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