日本内科学会雑誌
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Parkinson病,脊髄小脳変性症における視床下部下部下垂体系ドーパミンニューロンの変化 -プロラクチン分泌を指標として-
城下 裕
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1987 年 76 巻 1 号 p. 59-66

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抄録

Parkinson病(PA),脊髄小脳変性症(SCD)の視床下部下垂体系ドーパミン(DA)ニューロンの機能変化を推定しTRH,スルピライド負荷試験を実施し, PRL反応の対照例での加令変化と, PA, SCDでの変化を検討した.対照例のPRL基礎値,両負荷試験のPRL反応は加令の影響を受けない.男PA, SCDの基礎値は対照より有意に低い.両負荷試験の前値を100%としてPRL反応値を%換算すると,男女PA,男SCDのPRL反応高値とPRL過剰分泌(最高値の平均値+標準偏差値の2倍以上)例の比率が有意に高い.以上よりPRL分泌は加令の影響を受けず, PA, SCDに見られたPRL反応高値は病態を反映したもので,視床下部下垂体系DAニューロンの異常を示唆する所見と考えられる.

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