日本内科学会雑誌
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口腔および陰部潰瘍を初発症状としたhypereosinophilic syndromeと思われる1例
赤星 雅星野 茂寺村 正尚押味 和夫溝口 秀昭肥田 野信
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1987 年 76 巻 3 号 p. 421-424

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抄録

症例は59才男性.主訴は口唇潰瘍,皮疹.昭和59年1月,顔面に丘疹,口唇,舌に潰瘍出現し,つづいて無痛性の亀頭部潰瘍が出現した.プレドニゾロン療法をうけ症状の軽快をみたが,投薬中止後,症状増悪し入院となつた.入院時顔面に丘疹,下口唇に潰瘍を認めた.白血球数は14300/μlで,好酸球は30%と増加し,血中ビタミンB12が14540pg/mlと異常高値を示し, hypereosinophilic syndrome (HES)と診断した,粘膜潰瘍がhydroxyureaに反応したこと, Behçet病やStevens-Johnson症候群の粘膜潰瘍とは病像が異なったこと,外国に粘膜潰瘍を初発としたHESの2症例の報告のあることがら粘膜潰瘍をHESの-症状と考えた. HESに粘膜潰瘍を伴うことはまれである.

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