1988 年 77 巻 7 号 p. 1056-1061
抗胸腺細胞グロブリン(ATG)および抗リンパ球グロブリン(ALG)が有効であった重症再生不良性貧血の2例を報告する.症例1, 23才男.症例2, 57才女.両症例共に出血傾向を主訴に入院.高度の汎血球減少を認め,メチルプレドニゾロン大量療法を施行するも無効であった.症例1にATG1クール(総量5g),症例2にALG2クール(総量10g)を施行し,それぞれ1年4カ月および7カ月間経過を観察した.症例1ではHb4.8g/dlが15.0g/dlに,血小板0.8×104/μlが10.0×104/μlに,症例2ではHb4.8g/dlが15.0g/dlに改善した.またALGは2社の製剤を使用したが,両製剤とも有効と思われた.