日本内科学会雑誌
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77 巻 , 7 号
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  • 綱川 宏, 西山 玄洋, 日鼻 靖, 兼坂 茂, 春見 建一
    1988 年 77 巻 7 号 p. 987-992
    発行日: 1988/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    体表面QRST area mapの多双極子性を定量的に求め,心筋梗塞後の心室頻拍(VT)との関達を検討した.対象は正常44例と心筋梗塞59例で,急性期と慢性期のVTにより3群に分類し,退院時に記録したQRST area mapの多双極子性をresidueとして求めた. (1)心筋梗塞例のresidueは25.0±9.0%と正常例の17.8±3.3%より有意に大であった. (2)心筋梗塞発症10日以後の慢性期VT17例のresidueは34.5±10.3%とVTのない29例,急性期VT13例より有意に大であった. (3)residue 25%(正常例の平均値+2SD)以上の値は,慢性期VT例を感度82%,特異度71%で診断し得, QRST area mapの多双極子性の評価は心筋梗塞慢性期の心室頻拍の予知に有用なことが示唆された.
  • 森 孝夫, 福崎 恒, 南地 克美, 宝田 明, 五十嵐 祐一郎, 今井 直昭, 藤野 基博, 銕 寛之, 吉田 浩
    1988 年 77 巻 7 号 p. 993-998
    発行日: 1988/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    急性心筋梗塞早期再潅流時の心筋salvageの成否およびreperfusion injuryの評価におけるTc-PYP集積の意義を明らかにするため,自然開通(SR), ICT又はPTCAにて早期再潅流を得た左前下行枝一枝病変による初回梗塞54例でTl-201, Tc-PYP像所見と左室機能の推移の関係を検討した(SR 18例, ICT 19例, PTCA 17例). Tl-201潅流欠損小, Tc-PYP集積Parkey2+以下を1群,潅流欠損小Parkey3+以上を2群,潅流欠損大Parkey3+以下を3群,潅流欠損大Parkey4+を4群とした. SR群ではICT/PTCA群に比し, 1群, 2群が高頻度であった.急性期から慢性期の左室駆出率は1群では急性期より良好, 2群では急性期低下慢性期改善, 3群では一定傾向なく, 4群では増悪を示した.急性心筋梗塞早期再潅流例でTc-PYP像はTl-201像との併用により,心機能の推移ひいては虚血心筋salvageの成否に関する有用な情報を提供することが示唆された.
  • 斉藤 栄造, 木下 真男, 大島 久二, 吉田 ひとみ, 岡田 聡, 黒田 京子
    1988 年 77 巻 7 号 p. 999-1004
    発行日: 1988/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    多発性筋炎(PM)における糖質コルチコイド(GC)療法の治療効果を客観的に評価した成績は少なく,長期予後に対する効果は知られていない.そこで, PM 59例を対象に治療効果,副作用出現を用量反応性の面から検討した. GC大量投与例は短期,長期とも機能予後に対する治療効果が優れていた.しかし, GC薬投与に伴う重篤な副作用の出現率も高かった.一方,中等量以下で長期的な機能改善の得られる例も存在した. GC薬投与量と生命予後の間には明らかな関連は無かった.以上の成績から, GC薬はPMの長期的な機能予後を改善し得る事が判明したが,今後,症例による投与量の選択,内臓病変に対する治療法の確立が重要であると考えられた.
  • 高沢 哲也, 梨本 いづみ, 伊藤 正毅, 柴田 昭, 鈴木 利光
    1988 年 77 巻 7 号 p. 1005-1010
    発行日: 1988/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    甲状腺分化癌の転移巣が, 30年目に未分化癌へ転化したと思われる症例を経験した.症例は70才,男,昭和31年,甲状腺癌,肺転移(乳頭癌)の診断にて,甲状腺全摘および頚部,肺野に6000radの外照射施行.昭和61年1月17日呼吸困難出現.胸部X線像およびCTにて縦隔リンパ節腫大による左主気管支の狭窄と左胸水を認めた. Doxorubicinにて治療するも気管支の狭窄は急速に進行し, 3月4日呼吸不全にて死亡した.剖検所見:両肺に多発性の1~2cm大の腫瘍と縦隔リンパ節に径10cmの腫瘤を形成.光顕で肺腫瘍は〓胞構造を呈し甲状腺分化癌の転移巣と思われたが,縦隔リンパ節では〓胞構造なく胞体に富む大型で多核の細胞を認め大細胞型未分化癌であった.電顕で未分化癌の部分の胞体中にコロイド様物質をいれたluminal spaceを認めた.以上より,この未分化癌は甲状腺上皮細胞由来であると考えられた.本例は30年前に甲状腺を全摘されている事より,甲状腺分化癌の転移巣が未分化癌へ転化したものと思われた.
  • 小林 広幸, 滝田 節, 鈴木 洋通, 猿田 享男, 緒方 謙太郎, 坂口 弘
    1988 年 77 巻 7 号 p. 1011-1016
    発行日: 1988/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    膜性腎炎発症2年後に慢性関節リウマチを併発した1例を報告する.症例は50才,女性. 1985年2月,腎生検で膜性腎炎(Stage II)と診断. 1987年1月, 6週間以上持続する近位指骨間関節の対称性腫脹・リウマトイド因子陽性より慢性関節リウマチと診断.同時期の腎生検では膜性腎炎はstage IIIで,メサンギウム領域にも沈着物があり腎病変と慢性関節リウマチとの関連が示唆された.二次性膜性腎炎をきたす薬物の使用歴・感染・悪性腫瘍はなく病理組織上アミロイド沈着・血管炎もない.抗核抗体と抗DNA抗体陰性・高補体価よりSLEの合併はない.膜性腎炎が先行した慢性関節リウマチは稀有で,両疾患の病因を考える上で示唆に富む症例と思われる.
  • 梶波 康二, 稲津 明広, 若杉 隆伸, 小泉 順二, 馬渕 宏, 竹田 亮祐
    1988 年 77 巻 7 号 p. 1017-1020
    発行日: 1988/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    角膜にコレステロール結晶の沈着するまれな遺伝性疾患であるSchnyder's corneal dystrophyを伴った家族性高コレステロール血症(FH)の1例を経験した.症例は41才男性で父に高コレステロール血症と角膜混濁を認める.患者は小学校時代より両角膜の混濁に気付くも放置. 10年来虚血性心疾患にて加療中,昭和60年FHと診断されたが61年心精査のため入院となった.手背・アキレス腱に黄色腫を認めた.両角膜では表層部に針状結晶が集簇し,また混濁は中央部に強く, Schnyder角膜変性症と診断された.本例ではHDL/LCAT系は正常だったが,角膜のコレステロール沈着と全身性脂質代謝異常(FH)との関連において,そのメカニズムは不明であった.
  • 鍋島 紀滋, 津浦 佳之, 三浦 賢佑, 森安 史典, 吉田 弥太郎, 内野 治人
    1988 年 77 巻 7 号 p. 1021-1024
    発行日: 1988/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は21才,男性.両親は曽祖父母を同じくする血族結婚で, 10才時に,原因不明の溶血性貧血を発症し,自然に軽快している. 20才時より,手指振戦,構語障害が出現した.カイザー・フライシャー輪が両眼に認められ,血清銅低値,尿中銅排泄増加,血清セルロプラスミン低値より,ウイルソン病と診断された.ただちにD-ペニシラミンの投与を開始し, 3カ月後から著明な尿中銅排泄の増加がみられ,手指振戦,構語障害にも改善がみられている.まれにウイルソン病が溶血性貧血で発症することがあるが,今回われわれは以上のような1例を経験したので,ここに報告する.
  • 池田 剛司, 元木 賢三, 前田 孝夫, 中 啓吾, 大谷 英世, 濱地 順子, 一之澤 昭夫, 駒井 宏好, 瀧本 幹之, 内藤 泰顕
    1988 年 77 巻 7 号 p. 1025-1030
    発行日: 1988/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    上大静脈内に浸潤し,血管内腔を連続性に腫瘍塞栓として右房内に達していた悪性胸腺腫の1例を経験した.症例は78才と高令ではあったが,胸部縦隔へのCo照射で上大静脈症候群は改善し,右房内腫瘍の摘出で右心不全は消失しており,現在は術後7カ月を経過しているが元気に外来通院している.上・下大静脈から連続性に右房内へ腫瘍塞栓を起こす腫瘍の内容を,剖検例119例(日本病理剖検輯報)および文献報告例67例をもとにまとめた.本例は悪性胸腺腫による右房内腫瘍塞栓の手術救命例としては2例目と思われる.検査法としてMRI-CTは大静脈内の腫瘍の進展を知る上で効果的であった.
  • 辻 正人, 本橋 茂, 蓬田 茂, 有村 義宏, 井上 明夫, 中林 公正, 北本 清, 長沢 俊彦
    1988 年 77 巻 7 号 p. 1031-1036
    発行日: 1988/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    腎生検にて微小変化型ネフローゼ症候群と診断し,経過中に急性腎不全を合併した3例について報告した.年令は23, 54, 72才ですべて男性.急性腎不全発症に関連すると思われる薬物の使用はなかった. 3例とも高度の低蛋白血症を認めていた. 2例は透析導入後,短期間で透析を離脱できた.急性腎不全の発症機序は,微小変化型ネフロ一ゼ症候群の突然発症的な大量蛋白尿による急激な低蛋白血症のために,腎血流量の減少とともに尿細管腔蛋白円柱と腎間質浮腫による尿細管閉塞を生じ,急性腎不全をきたしたと推察された.急性腎不全は微小変化型ネフロ一ゼ症候群の重大な合併症のひとつであり,本症候群の治療・管理には,充分に注意が必要である.
  • 加藤 典弘, 塚田 博, 大野 富雄, 林 陸郎, 伴野 祥一, 鈴木 忠, 村田 和彦, 今成 哲郎, 小暮 晴一郎, 土屋 幸彦
    1988 年 77 巻 7 号 p. 1037-1040
    発行日: 1988/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は18才,男性.頻回に繰り返すてんかん発作の精査治療目的にて入院した.神経学的にはChvostek徴候およびTrousseau徴候を認めた.脳波上てんかん波が確認され,カルシウム,ビタミンD,の低下を認めた.血清化学検査上,総蛋白質3.0g/dlと著明な低値を示し, α1-アンチトリプシンクリアランスおよび125I-PVP漏出試験の結果より,蛋白喪失性胃腸症が確認された.リンパ管造影および小腸生検で腸リンパ管拡張症の所見が得られ,他に基礎疾患を認めないことから,原発性腸リンパ管拡張症と診断した.てんかん発作は本症に伴う低カルシウム血症が引金になったと思われるが,これまでてんかんを併発した本症の報告はない.
  • 高橋 貞夫, 藤田 学, 嵯峨 孝, 竹越 忠美, 山崎 義亀与, 得田 与夫, 玉井 利孝, 石崎 武志, 中井 継彦, 宮保 進
    1988 年 77 巻 7 号 p. 1041-1045
    発行日: 1988/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    30才,女性.慢性関節リウマチの診断にて金製剤(金チオリンゴ酸ナトリウム)の筋注療法を受け,低γグロブリン血症から難治性肺炎・肺水腫を発症した1例を経験した.金製剤投与240mgの時点での電気泳動上γグロブリン濃度は1.18g/dlであり,難治性肺炎から肺水腫を発症した金製剤総量1690mgの時点では0.28g/dlと低下していた.血清免疫グロブリン値はIgG 456mg/dl, IgA 44mg/dl, IgM 56mg/dlであった. γグロブリン値の低下に伴ってリウマチ因子の陰性化・炎症反応の改善がみられ,関節痛も軽快していた.金製剤中止後9カ月の時点でγグロブリン濃度0.73g/dlと上昇を示しリウマチ因子の陽性化が認められた.金製剤投与による免疫グロブリン低下が〓因となり発症した難治性肺炎・肺水腫症例と考えられた.
  • 長島 茂樹, 後藤 哲郎, 福田 充, 臼井 恵太郎, 斎藤 信雄
    1988 年 77 巻 7 号 p. 1046-1050
    発行日: 1988/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    右側頭部痛を初発症状とした蝶形骨洞アスペルギルス症の1例を経験したので報告する.症例は67才,男性. 3カ月間の右側頭部痛に次いで右視力低下を伴ったため入院.副鼻腔断層撮影, CTで右蝶形骨洞内に腫瘤様陰影を認めたため,同日当院耳鼻科にて緊急手術を施行したところ,右蝶形骨洞内に真菌塊を認め,病理,培養検査にてアスペルギルスが同定された.その後,側頭部痛は消失,視力も改善した.蝶形骨洞アスペルギルス症は極めてまれな疾患であるが,症候性神経痛の原因の一つとして念頭に置くべき点を示唆する1例と考えられる.
  • 河島 恭彦, 古川 雄祐, 阿久津 美百生, 吉田 稔, 北川 誠一, 坂本 忍, 三浦 恭定
    1988 年 77 巻 7 号 p. 1051-1055
    発行日: 1988/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は76才,女性.汎血球減少および脾腫の精査を目的として入院.無効造血および骨髄におけるdyshemopoietic changeより不応性貧血と診断した.約半年後,汎血球減少の悪化と脾腫の増大を認め再入院.末梢血および骨髄で小型の成熟リンパ球の増生が認められ,骨髄では骨梁付近に腫瘤形成が見られた.増殖細胞は, Ia, B4, OKM1およびIgM, k型の免疫グロブリンが陽性で,びまん性小細胞型非ホジキンリンパ腫細胞と思われた.原発部位は,表在,深部共リンパ節腫脹なく,当初より脾腫を認めた点より脾臓と考えられた. myelodysplastic syndromeとリンパ腫の合併報告は現在まで6例と少なく,また脾原発の悪性リンパ腫も全リンパ腫の僅か0.3%に過ぎず,本例を興味ある1例と考え報告する.
  • 鈴木 真由美, 川内 喜代隆, 渡辺 晴雄, 杉山 始, 浦部 晶夫, 高久 史麿
    1988 年 77 巻 7 号 p. 1056-1061
    発行日: 1988/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    抗胸腺細胞グロブリン(ATG)および抗リンパ球グロブリン(ALG)が有効であった重症再生不良性貧血の2例を報告する.症例1, 23才男.症例2, 57才女.両症例共に出血傾向を主訴に入院.高度の汎血球減少を認め,メチルプレドニゾロン大量療法を施行するも無効であった.症例1にATG1クール(総量5g),症例2にALG2クール(総量10g)を施行し,それぞれ1年4カ月および7カ月間経過を観察した.症例1ではHb4.8g/dlが15.0g/dlに,血小板0.8×104/μlが10.0×104/μlに,症例2ではHb4.8g/dlが15.0g/dlに改善した.またALGは2社の製剤を使用したが,両製剤とも有効と思われた.
  • 森豊 隆志, 北島 勲, 中川 正法, 出雲 周二, 納 光弘, 井形 昭弘
    1988 年 77 巻 7 号 p. 1062-1066
    発行日: 1988/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    発汗低下,起立性低血圧など自律神経障害を呈した多発性骨端異形成症(以下MEDと略す)の兄弟例を経験した.症例1. 25才,男性.両親はいとこ結婚.生後より発汗低下. 15才までに三度下肢骨折,両側足関節に骨様の膨隆を認めた.症例2. 27才,男性.症例1の兄.小児期より骨端部の形成不全を認めた.本症例はX線学的に膝関節および足関節の骨端部に形成不全を認めMEDと診断された.症例1は発汗低下と共に汗腺数の軽度低下を認めた.さらに,交感・副交感神経両方の障害も確認された.症例2も起立性低血圧と発汗障害の合併が認められた. MEDと自律神経障害を合併した報告は今までになく,新しい型の疾患概念の可能性について論じた.
  • 福原 敬, 森岡 正信, 平野 貞一, 小林 正伸, 桜田 恵右, 松嶋 喬, 宮崎 保, 佐藤 良也
    1988 年 77 巻 7 号 p. 1067-1071
    発行日: 1988/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    広東住血線虫(学名: Angiostrongylus cantonensis)は,本来ネズミを固有宿主とする寄生線虫であるが,ヒトの中枢神経系に侵入し,好酸球性髄膜炎を生じることが知られている.本症は,広東住血線虫の地理的分布により,熱帯,亜熱帯地方に多くみられ,我が国においては,流行地は沖繩地方に限られるといえるが,最近本線虫の分布は,本州や北海道にも拡大していることが確認されている.我々は,沖繩地方への旅行から札幌に戻った直後に好酸球牲髄膜炎を発症した広東住血線虫症の症例を経験したので,診断および疫学的考察を加え告した.
  • 塚本 憲史, 内山 俊正, 河合 弘進, 杉田 裕, 竹内 季雄, 佐藤 貞夫, 小林 紀夫, 小峰 光博, 成清 卓二
    1988 年 77 巻 7 号 p. 1072-1076
    発行日: 1988/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は60才男性.視床出血のため脳神経外科に入院,保存的治療を行なった.治療中止後水分出納は負となった.高度の脱水による意識低下とBUN上昇をきたしたため糖質輸液を施行,血糖高値となったため当科に転科した.転科時半昏睡状態で皮膚・粘膜は乾燥.尿は褐色,尿糖陽性,ケトン体陰性.血清浸透圧,血糖値,筋逸脱酵素の上昇を示した. rhabdomyolysisと判断し,大量輸液,インスリン静脈持続投与を行ない意識は徐々に回復した.また,経過中下血が出現, DICも合併した.筋虚血と高浸透圧により筋をはじめとする体組織の崩壊がおこり,それに伴って組織因子が遊離・露出したためと推察された.
  • 南 博信, 等々力 仁志, 柴垣 友久, 春田 純一, 渡邉 篤, 野村 史郎, 酒井 秀造, 坂 英雄, 下方 薫, 伊藤 雅文
    1988 年 77 巻 7 号 p. 1077-1080
    発行日: 1988/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は34才男性,食道造影にて粘膜下腫瘍を疑われ,精査の目的で入院となった.腫瘤は胸部CTでは,比較的高いCT値をとり,造影効果は全く見られず,充実性の腫瘤を疑わせたが, SR法, longSE法によるMRIを施行したところ,強信号に描出され,水,脂質が成分の中心であり,嚢腫と考えられた.超音波内視鏡では,腫瘤と食道固有筋層との連続性が疑われ,最終的に,食道壁内の嚢腫と考え,手術を施行した.組織学的に,軟骨,腺組織,筋組織を認め,気管支嚢腫と診断した.超音波内視鏡, MRIが診断に有用であった食道筋層内気管支嚢腫の1例を報告した.
  • 谷 吉雄, 山本 哲郎, 島崎 圭一, 河合 昂三, 西出 啓二郎, 安部 俊男
    1988 年 77 巻 7 号 p. 1081-1084
    発行日: 1988/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    尋常性乾癬経過中に,その臨床経過と密接に関連したネフローゼ症候群を合併した1例を報告する.症例は浮腫と皮疹を主訴とした64才男性.ネフローゼ症候群ならびに尋常性乾癬との診断にて入院.腎生検にて膜性腎症とIgA腎症が同時に存在する極めて特異な所見が得られた.患者のネフローゼ状態は乾癬治療およびステロイド薬投与により,約半年後には不完全寛解I型となった.本例の糸球体病変が乾癬と直接関連したものと断定はできないが,両者の臨床経過に関連性がみられ,かついずれの疾患もその発症に免疫機序の関与が考えられていることより,両者の密接な関係が推測され,糸球体腎炎の発症機序を考えるうえでも示唆に富む症例と思われた.
  • 寺井 敏, 山口 武典, 澤田 徹, 矢坂 正弘, 朴 永大
    1988 年 77 巻 7 号 p. 1085-1086
    発行日: 1988/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    発症48時間以内の脳血管障害213例において,入院時全例に断層心エコー図検査を施行し,さらに,発作性心房細動などの不整脈を検出した.脳塞栓36例中28例(78%)に心房細動の合併が見られ,脳血栓群,脳出血群と比べ有意に多かった(p<0.01).また,基礎疾患不明の心房細動は10例(28%)に見られ,脳血栓群,脳出血群に比べ,その頻度は有意に高く(p<0.05, p<0.01),塞栓症発症に関与するこの不整脈の重要性が示唆された.
  • 冨田 誠人, 牛田 伸一, 中原 保治, 中原 由紀子, 石田 直, 松山 栄一, 田村 忠雄, 山取 要, 馬場 泰人, 富樫 和美
    1988 年 77 巻 7 号 p. 1087-1088
    発行日: 1988/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    甲状腺機能低下症として治療中の65才女性で,臨床症状に合致しないT3値の異常高値を呈したため抗T3自己抗体の存在を疑い検索を行なった.検査の結果lgA型の抗T3自己抗体を証明した. IgA型の自己抗体は従来報告がなく,貴重な症例と考え文献的考察も加えて報告する.
  • 中林 透, 佐川 昭, 藤咲 淳, 酒井 勲, 渡部 一郎, 向井 正也, 安田 泉, 大西 勝憲, 中川 昌一
    1988 年 77 巻 7 号 p. 1089-1090
    発行日: 1988/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は35才女性.昭和57年3月顔面,三叉,嗅神経麻痺にて発症,約1カ月後にレイノー現象,関節痛が出現した.検査所見では白血球減少,抗核抗体640×陽性(斑紋型),抗RNP抗体16×陽性を認め,唾液腺造影所見および小唾液腺生検所見より,乾燥症状を欠くsubclinical Sjögren症候群(SJS)と診断した. SJSの末梢性脳神経障害の報告は少なく,多発性脳神経障害を初発症状とするSJS例は極めてまれと考えられたので報告する.
  • 古川 誠一, 山根 清美
    1988 年 77 巻 7 号 p. 1091-1092
    発行日: 1988/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は兄妹例であり,両親はいとこ婚である.両症例とも,歩行障害を主訴としている.両症例ともに,下肢屈筋群の萎縮,筋力低下が伸筋群に比べ優位であった.筋生検で筋原性変化の混在,およびrimmed vacuoleを有する筋線維が多数認められた. Histocompatibilty antigens (HLA)は両者とも同一所見でA locus A26 (10), A31 (W19), B locus B51 (5), BW55 (W21), C locus: CW1, DR locus DRW8, DRW9であった.なお,他の非発症同胞例2名についてHLAの検討を行なったが,発症者とは異なっていた.
  • 近藤 宏一, 境 正, 袈裟 丸倉基, 野口 玉雄, 橋本 周久, 田仲 謙次郎
    1988 年 77 巻 7 号 p. 1093-1094
    発行日: 1988/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    巻貝ボウシュウボラの摂食により感覚・運動障害,失調性歩行を呈した症例を経験した.患者の嘔吐物からテトロドトキシン(TTX)が検出され,さらにこの巻貝の中腸腺に多量のTTXが含まれることも証明された.したがって,本症例の食中毒の原因は,ボウシュウボラ中腸腺に含まれていたTTXと考えられた.ボウシュウボラのTTXによる中毒の報告は極めて少なく,嘔吐物からTTXが検出されたのは本例が初めてである.
  • 大塚 勤, 羽二生 邦彦, 菅原 明, 呉 明彦, 佐藤 秀一, 清水 泰行, 村上 治, 吉永 馨
    1988 年 77 巻 7 号 p. 1095-1096
    発行日: 1988/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    35才の女性で,下垂体照射により下垂体卒中が誘発され,治癒したCushing病の1例を経験した.本例は高血圧を主訴として当科へ入院し, Gushing症候群の身体所見がみられ,内分泌検査より上記診断に至った.下垂体照射開始後19日目に頭痛発作をみた後,血中cortisol,尿中17-OHCSの低下,血圧の正常化を見た,照射12年後の現在, CRH試験ではACTHの分泌不全が, CT-scanではempty sellaが認められ, Gushing病の再発の兆候はみられない.
  • 明橋 大二, 小出 操子, 岡田 弘
    1988 年 77 巻 7 号 p. 1097-1098
    発行日: 1988/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    22才の男性と,この患者の48才の父に結膜炎,発熱,関節痛,指趾の腫脹と乾癬様皮疹等の症状があり, Reiter症候群と診断された.父子ともにHLA-B27が証明された.昭和59年までに本邦では91例のReiter症候群が報告されているが,その数は白人におけるよりもはるかに少ない.この理由は日本人においては, HLA-B27抗原陽性率が低いためであると思われる.本報告は,本邦におけるReiter症候群父子発症の第1例である.
  • 平岩 善雄, 楠 憲夫, 荒木 一郎, 文字 直, 品川 俊男, 永森 正秋, 竹田 亮祐
    1988 年 77 巻 7 号 p. 1099-1100
    発行日: 1988/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は37才,女性.高血圧性心不全にて入院.精査の結果,左副腎腺腫によるCushing症候群にfocal glomerulosclerosis(以下FGS)によるネフローゼ症候群を合併した非常にまれな症例と診断した.副腎腺腫摘出後も高血圧は持続し,本例の高血圧はFGSによると考えられた.アンジオテンシン変換酵素阻害薬による治療を試みたところ,良好な降圧ならびに蛋白尿の減少が認められた.
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