日本内科学会雑誌
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Restless leg syndromeを呈した梅毒性髄膜炎の1例
篭島 充宮田 佳典大原 慎司近藤 清彦仲 元司
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1989 年 78 巻 10 号 p. 1462-1465

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抄録

Restless leg syndrome (RLS)を呈した梅毒性髄膜炎の1例を報告した.症例は49才男性.糖尿病,慢性活動性肝炎の加療中両下腿深部の痛くぴりぴりするような異常感覚が出現.安静で増悪,運動で軽快するため患者は夜間も歩き回り不眠であった.他覚的には神経学的異常所見を欠きRLSと診断した.血清梅毒反応陽性(STS128倍, TPHA40960倍以上),髄液細胞数増加,総蛋白増加,髄液梅毒反応陽性(STS2倍, TPHA640倍)から梅毒性髄膜炎と診断.ぺニシリンG1200万単位14日間の点滴静注で髄液所見の改善とともにRLSは急速に消失した.本例のRLSの原因に梅毒性髄膜炎による脊髄後根刺激の関与が推定され, RLSの発症機序を知るうえで重要と思われた.

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