日本内科学会雑誌
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術前に診断しえた胆嚢総肝管瘻の1例
堀部 俊哉洪 永隆大久保 公雄新戸 禎哲山田 孝史池田 肇原田 容治斉藤 利彦芦澤 眞六木村 幸三郎
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1989 年 78 巻 10 号 p. 1466-1469

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抄録

症例は45才,女性.昭和61年秋頃より心窩部不快感出現.昭和62年2月褐色尿および易疲労感も出現したため本院入院.入院後腹部超音波検査にて胆道疾患が疑われERCPを施行.総肝管の高度狭窄と胆嚢部の結石像および胆嚢管の中断を認めた.さらにバルーンカテーテルを用いてERCPを施行し,総肝管と胆嚢との交通性を認めたため胆嚢総肝管瘻と診断した.手術時胆嚢結石が頚部に嵌頓しさらに総肝管へ瘻孔を形成していることが確認された.胆嚢総肝管瘻は内胆汁瘻の一種であるが術前診断は困難と言われている.今回我々はERCPにより術前に診断し得た1例を経験したので,文献的考察を加えて報告する.

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