日本内科学会雑誌
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右冠動脈左Valsalva洞起始症の1例
平井 淳一前田 俊彦若杉 隆伸嵯峨 孝明石 宜博山崎 義亀與斎藤 和哉
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1989 年 78 巻 10 号 p. 1470-1474

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抄録

49才女性.労作時の前胸部圧迫感を主訴にて来院し,亜硝酸薬にて症状は軽快したが,精査のため入院.血圧110/60mmHg,脈拍68拍/分,整.胸部写真では心胸郭比53%と軽度の心拡大を,マスターのダブル負荷心電図ではV3~6のST下降を認めた.心カテーテル検査にて左冠動脈は左Valsalva洞より派生し,通常の走行をしていたが,右冠動脈も同様に左Valsalva洞より派生していた.そしてdynamic CTにて,右冠動脈近位部は大動脈と肺動脈の間を通過していた.なお左右冠動脈に狭窄病変はなく,心内圧も正常であった.以上,まれな右冠動脈左Valsalva洞起始症の1例と診断し,冠動脈の走行の確認にdynamic CT法を応用した.

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