日本内科学会雑誌
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Crohn病の経過中,ループス腎炎を合併した1例
杉本 正毅佐藤 祐二熊谷 安夫末永 松彦橋本 博史廣瀬 俊一
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1989 年 78 巻 4 号 p. 583-584

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抄録

症例は34才,男性. 24才よりCrohn病と診断され,サラゾピリン服用により経過良好であったが,昭和62年9月ネフロ-ゼ症候群が出現.抗核抗体,抗DNA抗体,抗Sm/nRNP抗体陽性,血中免疫複合体の上昇を認め, SLEと診断した.腎生検所見は膜性増殖性腎炎を呈し,係蹄壁・メサンギウムにIgG, Clq, C3, C4の沈着を認め,ループス腎炎と診断した.ある種の薬物には潜在するループス素因を顕性化する作用があることが知られており,サラゾピリン投与中の患者では炎症性腸疾患の腸管外症状とSLE症状を誤認しない注意が必要である.

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