日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
Print ISSN : 0021-5384
ISSN-L : 0021-5384
心膜炎で発症した大動脈炎症候群の1例
矢部 敏和土居 義典高田 淳秋沢 雅史西永 正典三谷 健一山田 光俊小田原 弘明米沢 嘉啓小沢 利男
著者情報
ジャーナル フリー

1990 年 79 巻 2 号 p. 235-236

詳細
抄録

35才の女性が胸痛を主訴に来院.炎症所見・ツベルクリン反応(ツ反)強陽性・心膜液貯留・右室圧のdip and plateau波形を認めたため結核性心膜炎を疑い,抗結核薬とprednisoloneの投与を開始した. 2年半後に当初は見られなかった右頚部の血管雑音が出現し,左橈骨動脈の脈拍が微弱となり,血管造影にて大動脈炎症候群と診断した.原因不明の心膜炎を見た場合,大動脈炎症候群も鑑別診断の一つとして考慮すべきことが示唆される.

著者関連情報
© (社)日本内科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top