日本内科学会雑誌
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7.溶血性貧血-研究の現状と日常診療での留意点-
2)後天性(1)免疫性溶血性貧血の診断と治療
小峰 光博
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1990 年 79 巻 5 号 p. 632-637

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抄録

免疫的な機序によって赤血球が過剰に破壊されて生じる貧血群で,自己免疫性,同種免疫性,薬物起因性に大別される.溶血の強さや臨床像は原因となる抗体の種類と生物学的な活性によって規定される.赤血球膜上に結合した抗体や活性化された補体成分の検出にはCoombs試験(抗グロブリン試験)を行う.直接Coombs試験陽性が診断に必須である.病型により適切な治療を選択するが,最も多い温式抗体による白己免疫性溶血性貧血では副腎皮質ステロイド薬が第一選択であり,大多数はこれ単独で管理することができる.

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