日本内科学会雑誌
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3.好酸球性びまん性筋膜炎
諸井 泰興
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1991 年 80 巻 11 号 p. 1779-1781

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抄録

好酸球性びまん性筋膜炎(または好酸球性筋膜炎)は1974年にはじめて報告された疾患で,四肢の痛み,腫脹,皮膚の硬結ではじまり,激しい運動の後に発症することのある点が特徴とされている.症状の上では皮膚硬化を示す点で強皮症に類似するが, Raynaud現象や内臓病変は見られない.発病初期に好酸球増加症を認め,皮膚生検所見で筋膜を中心とする好酸球,リンパ球を含む炎症性細胞浸潤と筋膜肥厚で確診される.予後は通常良好でステロイド薬によく反応する.近年典型例以外に種々の疾患との合併,強皮症への移行例,特に1989年にはじめて報告された好酸球増加・筋痛症候群(eosinophilia-myalgia syndrome)との関連性が病因の上から大きな関心を集めている.

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