日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
Print ISSN : 0021-5384
ISSN-L : 0021-5384
1.膵癌の診断
1)腫瘍マーカー,膵酵素
越智 浩二
著者情報
キーワード: 膵癌, 腫瘍マーカー, 膵酵素
ジャーナル フリー

1992 年 81 巻 12 号 p. 1951-1954

詳細
抄録

膵臓癌の診断における血清腫瘍マーカー,膵酵素について概説した. CA19-9やSPan-1などモノクローナル抗体を用いた糖鎖抗原が開発され,小膵癌の陽性率は確かに向上したが,膵癌の予後を大幅に改善するようなマーカーはいまだ発見されていない.現存のマーカーを組み合わせて早期の膵癌例での陽性率を向上させるcombination assayの試みが行われている.糖鎖抗原の構造が明らかになるにつれて, combination assayにおいて組み合わせるマーカーの選択についての論理的な裏付けが確立されつつある.将来的には癌遺伝子や遺伝子産物による腫瘍マーカーの開発が期待される.

著者関連情報
© (社)日本内科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top