日本内科学会雑誌
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頻回の失神発作をきたした肺塞栓症の1例
中田 安彦町田 雪乃新里 達志島袋 充生伊志嶺 みち子大城 康一長嶺 文雄村上 啓治三村 悟郎
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1992 年 81 巻 8 号 p. 1266-1267

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抄録

56歳,女性.頻回の失神発作を主訴に入院.心エコー図では右室負荷所見が認められ,心臓カテーテル検査では肺高血圧症と心拍出量の低下を認めた.肺血流シンチにより肺塞栓症と診断した.血栓溶解療法により失神発作は消失したが,肺高血圧症の改善がみられないため降圧薬を併用した.併用療法6ヵ月後の検査では本症の増悪は認められなかった.本例では抗凝固療法と肺血圧降圧療法の併用により病状の進展を阻止し得たと考えられた.

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