1993 年 82 巻 12 号 p. 1999-2004
骨粗鬆症の家族歴,牛乳不耐症,痩せなど骨粗鬆症の危険因子があれば,運動やカルシウム等で最大骨塩量を増加させ,同時に骨塩測定により早期発見に努める.患者血清や尿中カルシウム濃度が高値でなければ,ビタミンDやカルシウムで治療する.骨吸収の骨代謝指標が高値であればカルシトニンやイプリフラボンを投与し,閉経直後であれば女性ホルモンを考慮する.理論的には作用機序の異なる薬物の併用療法も考えられるが,その有用性については結論がでていない.現在,ビスフォスフォン酸,ビタミンK,ビタミンD誘導体,副甲状腺ホルモンなどの臨床治験が実施されている.