1993 年 82 巻 12 号 p. 2012-2016
くる病・骨軟化症は,共に骨基質の石灰化(あるいは骨塩沈着)障害である.くる病は小児の骨端部(epiphysis)成長板(growth plate)軟骨の骨化(endochondral ossification)障害である.骨塩沈着が正常に起こるためには, (1)正常な骨基質産生, (2)軟骨細胞(骨芽細胞)のアルカリフォスファターゼ, (3)血液・局所のカルシウムとリンの積(Ca-P product), (4)石灰化局所のアルカリpHが必要である.各論としては特に低リン血症性くる病(骨軟化症)について述べた.